写真集の「あとがき」


 僕が統一教会(世界基督教統一神霊協会)をはっきりと認識したのは、1992年の「合同結婚式」だ。それは何も桜田淳子さんや山崎浩子さんが参列して、マスコミを賑わせたからだけではない。本来、交わるはずのない「合同」と「結婚式」という二つの単語が渾然一体となって、それがあたかも以前から存在していたのではないかと錯覚してしまうほど、まるで当然のように各紙面に踊り続けた、このような事態に違和感とも言えない何かを感じたからだ。

 

 それから二十数年、ひょんなことから合同結婚式の写真集を出さないかという話が、東京キララ社に舞い込んできた。それまでも、何度かご縁のようなものを感じたことがある。2012年5月に渋谷・アップリンクのイベントで、B級スポット探検家としても知られるカメラマンの酒井透氏と「日韓トンネル」をテーマにトークをしたときもそうだ。「日韓トンネル」は、統一教会が主導で進めているプロジェクトだが、佐賀にある日本側入口の最深部の写真を公開するという触れ込みだった。驚くべきことにそのイベント会場に統一教会の広報の方々が来てくれたのだ。それも抗議や監視をする目的でなく、普通にお客様として。

 

 更に縁を感じるのが、弊社と長く深い付き合いのあるイベントスペース「アップリンク」が入るビルの真ん前が「統一教会」の本部だということ。逆に、統一教会の方々からすると、本部の真ん前に十数年前に引っ越してきたのがアップリンクだ。


 そういった縁の積み重ねで、合同結婚式の写真集の話が持ち上がった。しかも、その行程すべてにアテンドしてくれるという。つまり式典だけでなく、その前日から、結婚式を挙げる当人や家族、式を支えるスタッフに密着して、数万人の人が集まる巨大イベントの全貌を撮ってもいいということである。僕は編集者として、これは神様からいただいたビッグチャンスだと思い、一瞬の迷いもなく写真集を作る決意をした。そんな現場に立ち会えるなんて、編集者冥利に尽きる。

 

 統一教会および合同結婚式を肯定も否定もしないこと、統一教会側からの検閲がないこと、東京キララ社のテイストで自由に作らせてもらうこと、この三つが条件だった。それをいとも簡単に受け入れてくれた教会広報。懐の深さを感じたと同時に、少し拍子抜けもした。

 

 高橋慎一と諏訪稔のカメラマン二人には、式典の様子だけでなく、個々の人物に寄ってその表情を撮ってもらいたいとお願いした。教団が推薦する相手同士で結婚式を挙げるカップルが25005000人、そして1万人を超える参列者、そういった当事者という立場の人々の表情から、合同結婚式がどのようなものかが判断できるのではないだろうか。

 

 ドキュメンタリーというのが、この写真集のもっとも適切な切り口だろう。何の脚色も注釈もない、統一教会が執り行った「2014 天地人真の父母天宙祝福式」(合同結婚式)の全貌をお楽しみいただければ幸いです。

 

東京キララ社 中村保夫


祝福結婚式、初の写真集